1. Home
  2. /
  3. 不登校
  4. /
  5. 『不安の哲学』岸見一郎著から学ぶ”不安”と”恐怖”の違い。~不登校に向き合う

『不安の哲学』岸見一郎著から学ぶ”不安”と”恐怖”の違い。~不登校に向き合う

不安の哲学

こんにちは♪YUME♡miyakoです。

アドラー心理学では”トラウマ”の存在をそれが原因ではなく、目的として扱うことを否定します。

分かりやすく言いますと、

「いじめられたから、学校へ行きたくない」というトラウマは、不登校の理由にはならないのであり、学校へ行きたくないという気持ちを「いじめ」で理由付けし、目的は「学校へ行かない」ことだ、と説明しているのです。

『不安の哲学』は岸見一郎先生が、世の中に「不安」の本質を知ってもらい、対処する方法を述べるために書かれた本です。

不安の対象は「無」である

今の世には不条理なことが多々あります。そのようなことがなければ不安を感じることはないでしょう。しかし、目を瞑れば不安は解消するわけではありません。本書では、不安が一体どういうものかを考察し、最後にこの不確実な時代をどう生きていけばいいかを考えてみます。

みなさんが、少しでも心穏やかな日々を過ごせることを願って。

(本文より)

デンマークの哲学者、キルケゴール不安の対象は「無」であると言っています。これは「なんとなく不安だ」という意味です。あれやこれやの出来事によって不安になるのではなく、何でもないこと=無 が人を不安にするという意味です。

これに対して、恐怖はある特定のものに関係します。

大きな犬が近づいてきた時、大地が揺れる時に起きる感情は、恐怖であって、不安ではありません。

大地の揺れが収まれば恐怖はやみます。しかし、また地震が起こるのではないか、と思う時に起きる感情は「恐怖ではなく不安」です。

アドラーは不安の原因ではなく、その目的が何であるかを考えます。

アドラーは仕事や対人関係のように生きていくにあたって避けることができない課題を「人生の課題」といい、不安はこの人生の課題から逃れるために作り出される感情であると言います。言い換えると、不安の目的は、人生の課題から逃れることです。

ここで、話を「不登校」に移しましょう。

朝起きて、学校へ行きたくない、となったら、子どもは何らかの理由を付けないとならなくなります。頭が痛い、お腹が痛い、などです。

親はその理由を学校へ連絡します。子どもは、「こんなにお腹が痛いのだから、休んでも構わないのだ」と自分に言い聞かせることで、お腹は痛くても心は痛みません。

ここで、頭痛や腹痛は仮病ではなく、本当に痛みがあったとしても同じなのです。

親も学校も「お腹が痛いくらいで学校を休んではいけません」とは言わないでしょう。

子どもはそのことを知っていますので、親に理由を尋ねられる前に「お腹が痛い」と先に述べます。

この理由は自分への「言い訳」になります。

このように、本人⇒親⇒教師 へと腹痛が連絡され、晴れて休めることになると、本人の腹痛は軽減されるか、無くなります。

「Aだから(あるいはAでないので)Bできない」という論理を日常生活の中で多用することを”劣等コンプレックス”と言います。このAとして、自分も他人もそんな理由があれば仕方ない、という理由を持ち出すのです。

by アドラー

 人生の困難から逃げ出そうと考えている人は、「不安」になることでその決心を強化するとも言っています。

では「不登校」は罪でしょうか?いいえ、そんなことをアドラーも岸見一郎先生も述べていません。

目に見えない「不安」を不登校の理由にしてはいけないのだ、とおっしゃっているのです。

『不安の哲学』は不登校だけだはなく、人生における全ての不安に対してその対処法を述べられています。パンデミックと不安、対人関係の不安、仕事の不安、病気の不安、老いの不安、死の不安。。。。

【不安からの脱却】

他者との連帯によって不安は取り除かれます。

真の友人を得ることは不安を取り除きます。

「深淵に向かって跳べ」と。人に合わせない、バンジージャンプをするかの如く、自由に生きる道を選ぶのです!!

「何も持たずに生きる」のです。この考えは仏教に通じます。私たちは何も持ってなどいないのですよ。裸で生まれ、裸で死ぬのです。だから不安はなくなるのです。

「今ここを生きる」・・・・岸見一郎先生の言葉の中で、私が一番好きな言葉です。

何年生きたかは問題ではなく、生まれて間もない子どもも、長く生きた人も「今」しか生きられないのです。

不登校の理由を不安に求めて理由づけしてはいけないのです。

今、自分が何をしたいのか、親や先生に言われるのではなく、自分で決めるのです。やりたいことを今、やるのです。今を生きるのです。

不登校が悪いのでも否定するのでもなく、「不安に支配されるな」と言いたいのです。

アドラーはこう言っています。

現実との接点を見失うと「人生が要求していること、人間として(他者に)何を与えなければならないかを忘れる」「今ここを生きない」と現実との接点を見失います。

与えること=貢献することが生きることの目標です。

生きているだけで他者に貢献しています。

不安を感じず、今を生きることが、どんなに不安定な世の中でも、人生に迷わない方法です。

今日はこのへんで(#^.^#) ごきげんよう♬

Picture of 池永 宮代子(みやこ)

池永 宮代子(みやこ)

20年にわたる学習塾の指導・経営の経験から、「生きる力を育む子育て」を応援します。 親と子の夢を育む・・・それがYUME∞IQのコンセプトです。 すべての親子に笑顔を♪

関連記事

上部へスクロール