『自己中心的な子ども』という言葉は、よく考えると違和感のある言葉です。なぜなら
子どもが自己中心的なのは、ある意味で自然なことだからです。
子どもの世界は自分を中心に回っていて、それは、ある意味当たり前と言えます。幼少期から
親や他人に気を遣って生活することの方が違和感がありますね。
今日の記事でお話しする『自己中心的でわがままな子ども』というのは、自分の思い通りにな
らないと攻撃的になったり、泣きわめいて手が付けられなくなったり、言うことを全く効かな
くなるというようなタイプを指します。
お母さんがこのタイプのお子さんに手を焼いてしまい、どうしてよいか分からず、一人で悩んで
しまうことは、実はよくあることです。
子どもには、客観的に見て《育てやすい子》と《育てにくい子》があります。育てにくい子ども
のお母さんは、自分を責めてしまいます。
自分を「悪い母親だ」と思ったり「母親失格」と自分を責めてしまう傾向があります。
この《育てにくい子》は実は、一時的なものに過ぎず、お母さんやご家族の対応次第では、どん
なお子さんもそのキラキラする才能を開花することができるのです。
まず、【自己中心的な子ども】とは、自分が、自分が、という気持ちが強いお子さんです。
自分がすることは譲れない、他人なんておかまなしで1番になりたい!
自分の邪魔なんかさせないぞ! そう考えています。
このお子さんは
① 一度にいろいろなことを同時進行できない
1つのことに執着するから
② 1番でないと気が済まない
ほめられたい、1番になって認められたいという気持ちが強いから
③ 気分の浮き沈みが激しい
良い結果が出たらノリノリになるが、できない時に落ち込みが激しい
これらの特徴を持っています。
では、こういうタイプのお子さんに対して、親がやってはいけないNG行動と言うと・・・
【親のNG行動】
① 見て見ぬふりをする
このタイプのお子さんは、注目されたい、褒められたいという「名誉欲」を強く持っています。
ですから、スルーされる=見て見ぬふりをされるのは苦痛に感じます。
⇒ その子の行動をきちんと見て、肯定的な言葉がけをしましょう。どんな小さなことでも
OKです。お母さんは、僕のこと、私のことをきちんと見てくれて、こんなことを言って
くれた、と子どもの脳には記憶されます。その記憶は大きな生きる支えとなります。
② 一方的に叱って非難する
目立ちたい、褒められたいタイプのお子さんには”強く上から叱る”ことは逆効果です。もっと
状況を悪化させるでしょう。「なんでいつもそうなるの!」「自分中心なんだから!」
「そんなことをしていたら、皆に嫌われるよ」などなど・・・・
お母さんの気持ちは痛いほどわかります。ついつい大声で叱ったり、怒鳴ったり、時には子ども
と言い合いになったりと。
でも、これで良くなることはまずありません。ではどうしたらよいか。
⇒ 「〇〇ちゃんの気持ちはよくわかるよ、でも、こうしてみたらどうかな?」
「今はここがうまくいかなかったから、次はどうしたらいいと思う?」
のように、難しいけれど、こみ上げてくる気持ちをいったん、グッと抑えて、言葉を選んで
言いたいことを置き換えてみましょう。
③ 心のこもっていない適当なほめ言葉
注目されたいタイプのお子さんは、親が自分をどう受け止めているのか、に敏感です。お母さん
やお父さんが「適当に流している」言葉をしっかりと感じ取っています。ですから、うまくいか
なかった時、失敗した時でも良い部分を何とか探して、その1点に注目する言葉がけをしてくだ
さい。
⇒ 「◇◇したことはすごく良かったね」「××はできなかったけれど、一生懸命やっていたのを
お母さんは見ていてすごいな、って思ったよ」
とても小さなことに気づいてあげることで、お子さんの自己肯定感は育ちます。きちんと
見てくれているんだという安心感は、レジリエンスを育てます。
【強く叱る】【高圧的な態度で押さえつける】これらの親の行動は、子どもの脳の成長も、心の成長
も遮ります。そして、そこから生まれるのは、【より大きな反発】です。
そして、このタイプで重要なことは、【1点にのみ集中してしまう】点にあります。ですから、お母
さん、ご家族はできるだけ意識して、その子にいろいろな世界を見せてあげる工夫をしましょう。
意識が分散してしまうお子さんと違って、このタイプは、他に意識が向きません。外野が見えないタ
イプです。だからこそ、余計に様々な体験を通じて、多角的に物事を捉えられるように仕向けてもら
いたいのです。様々なイベントに連れ出す、お稽古事をいろいろとやってみる、旅行によく行く、など
が良いと思います。
子どもの特性は、裏返しで良い面として捉えてください。子育ての時間は短く一瞬ですが、その一瞬
一瞬が子どもにとっては人生を左右する一瞬となります。
悪い面として捉えず、その子の特性として、【良い面】に反転させて育てていく。そんな気持ちで
お子さんと向き合ってみてください。
日頃の心がけ、それも習慣で簡単にできるようになります。
全ては、子ども達の未来のため、そしてお母さんの笑顔のために。